Sunday, January 08, 2006

Sin alcohol



ラパスでメジャーな新聞は「La Razon」(意味は多岐にわたり、「正当性」か「動機」か「理性」か「お知らせ」か。。。)日本で言うと朝日新聞のような存在だ。今回は、私の仕事と密接に結びついた健康に関する文化欄の記事を読んで思ったことを紹介。

どこの国にも生活習慣病みたいな嗜好、癖、慣習によってもたらされる身体への弊害ってのは存在すると思うんだけれど、この記者は、ボリビアの慣習的な飲酒事情を批判的に記述している。ボリビアでは、機会的に(日常的ではなく)消費される飲酒の量が異常に多く、それによってもたらされる健康への被害は深刻だという。

ちなみにボリビアでは、誕生日会などのちょっとしたパーティーが盛大に祝われる。こういった催しは、文字通り酒なしでは始まらない。ホストは、会が始まってから2-3時間食事を出し惜しみする。これ、ボリビアのホスト・マナー。その間、出席者側は酒と会話を嗜む。食事が始まる頃には、初対面の人間もアミーゴに。酒の効用その一。出された食事はどれをとっても美味。酒の効用その二。隣の親父のくだらないギャグにも爆笑。場が盛り上がる。酒の効用その三。パーティー終盤は酒を片手に踊る。この時点では、もう酒こそがイベントの主役となっている。

新聞記事によると、多くの妊婦が「少量の飲酒は胎児へのダメージはない」と考えているらしい。実際に、知り合いのボリビア人は、インディヘナの妊婦が踊りながらビールを飲むという光景はべつに珍しくないと言及していた。当然、妊娠中に酒を摂取された胎児は脳や器官に障害を負うばかりではなく、自然流産によってこの世に生を受けることがない者も少なくない。

ボリビアの乳幼児死亡率は中南米で最高。申告されているだけでも、年間1,000人中55人の乳幼児が死んでいるという統計(JICA、2002年)が発表されている。しかも、昔ながらの習慣で、明らかに病気を持って生まれてきた子の命は平気でとるという。ダウン症の乳児なんかはよくその例として挙げられる。

命の二つあるものとしてボリビア人妊婦がお酒に対していい加減で、胎児の生に対して無責任であることを批判するのは易い。けれども、その原因の背後にあるのが「文化」だとすれば、こいつは厄介だ。開発の世界では、「文化」による軋轢がよく紹介されるが、私の2年間も現地の人々の体と心に深く染み付いた「文化」ってやつに悩まされるのだろうか。


※写真はサンタクルス・モンテロにある病院内。

1 Comments:

Blogger Natsuko said...

Yucca!
元気にしてる???

ところで、どいちゃんのブログ開けないのだけれど、これってないってこと?ボリビアにいるのがいけないのかしら?

¡siempre tuyo!
nachito

Monday, January 09, 2006 12:58:00 PM  

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