Thursday, June 14, 2007

USAID(米国開発庁)支援のプロジェクト:家族計画

さて、私の配属先、郡・保健ネットワーク事務所では、現在大きな医療保健プロジェクトが複数企画・実施されております。あまりの忙しさに、私を含めて職員20名弱ほぼ全員が一つ一つのプロジェクトの代表を務めているほど。予算支援機関も、アメリカ、日本、ボリビア政府、国際機関とさまざま。今回は今年8月から2年弱ほど続く家族計画(若年女子の妊娠数を減らす、性病予防、性に関する意識改革など)のプロジェクトにかかわる中、USAIDの援助制度について学んだことをここで紹介。

当プロジェクト「家族計画」は配属先の上司らが作ったもので、均衡の大都市サンタクルス市内にある国内NGOを通してUSAIDから予算が確保されることになった。予算が下りることが決まってから、2日間ほど研修に参加してきた。内容は、会計/活動報告書に関するルール、より詳細な企画作成の方法、実施中のモニタリング方法、予算全般に纏わる規約など、USAIDの要望に従ったUSAIDマナーを学んだ。


今年の3月、USAIDと共同で隣町で学校保健教育活動にかかわったとき、やけに職員が定性的評価やインディケーターにこだわるなと思っていたが、それもそのはず。USAIDワシントン本部の保健セクターでは、標準化(Standardization)のためにテーマ別にその指標を設けており、これに従って各プロジェクトは評価を受けることになる。例えば、HIV/AIDSなら41、母子保健なら22、結核なら15個なんていう指標を組織として定めているのだ。

さて、USAID保健セクターでとってもSensitiveだといわれているテーマ。何だと思う?実は、中絶。家族計画のプロジェクトを実施する際に、間違っても、結果的にでもコミュニティーで中絶をサポートするような方向に支援しないようにと念を押された。ま、Mr.ブッシュの言っていることを考えれば、それもそのはずだよね。ボリビア国では、宗教的背景から、子供を下ろすことはできない。ただし、国の保健法では、1.妊婦が危険な状態にあるとき、2.暴行を受けて妊娠したときにのみ、中絶を選択することができる。しかし、実際には多くの医者が中絶を自らの手で施行することを忌み嫌うために、実施のケースはほとんどないと言われている。

ボリビア国では、母子保健分野でのニーズが高く、特に幼児死亡率、妊婦死亡率が中南米でも最悪。ボリビアの下にはサブサハラアフリカしか来ないとも言われている。地域でも、12歳の少女がお腹を大きくしているのを見る。父親は妊娠させて姿を消す。この国は、男は外で女性のお尻をおっかけ、母親たちが大事な子供を育てるために身を粉にしてせっせと働く。シングルマザーによって支えられている経済。どんなじゃって思うでしょ。保健政策ってのは、一国の経済を左右するほどの力を持っている。


Wednesday, June 13, 2007

この世界で働く人が好きだから


さて、6月初旬に隊員総会が首都ラパスにてありました。今回は、総会委員でもないくせいに前回にも増して忙しかった。

なんでかって。

来年で、ボリビア事務所創立30周年記念になるらしいです。その関係からか、TV局と新聞社が来て、ほかの優秀な隊員さんたちを代表して私がなぜかインタビューと写真撮影に狩り出される。着席しては呼び出される。忘れたころに調整員に耳元で、「局の方来ました、よろしく。」と囁かれる。結局、午前中3回ほど。総会の楽しい雰囲気が壊されたのが残念。でも、国内で一番大きいTV局と新聞社に載ったこと、インタビュー中スペイン語に殆ど苦労しなかったことから、大きな自信につながったことは言うまでもない。

 さて、実は今回の総会前日に、ボリビア史上初全隊員によるニホン大使邸訪問がありました。煮物が最高においしかった。きゃーって叫んじゃうほどガーデンが綺麗だった。大使様にお言葉を個人的に頂けた。そして何よりも、ボリビア隊員や職員さんをこよなく愛しいと思った夜でした。次の日の総会後の夜は打ち上げ。あがるあがる。舞い上がる。職員さんも混じって恋愛トーク炸裂。失恋トークか。そして、その後もまだ心が宿泊先に帰れず、偶然、事務所の所長さまの御家でワインを一杯やることになり、何気に隊員OBである所長のフレンドリーな一面をはじめて拝見したのでした。

この世界が好きなのは、この分野で働く人が好きだから。そんな初歩的なことにも未だに気付かされる私。「いつかいつか」そんな思いだけで今日ここまで来たけれど、やっぱり正しかったなと思うのです。