No soy chinita
最近いたく感心しいていることが一つある。華僑ってのは本当にどこにでもいる。もしエルセニョーレスとかいう新たな自然災害現象が起きたとして、地球上の6つの大陸全てが海の底に沈んだとしても、おそらく華僑は小さな名もなき島々に力強く生き残っているに違いない。と確信できるほどだ。ま、こういう中傷めいたことは抜きにしても、任地に来てから今の今まで訪れた小さな村々に必ず華僑が住んでいるってのは本当に感服スル事実ナンダ。
私の住むサンタクルス県は市内中心から15分ほど車で離れれば、トロピカルな植物に、馬、牛、ひつじが放し飼いされた壮大な高原が180度一面に広がり、残りの180度はきれいな青の空が覆い被さったような地だ。もちろん、わらぶき屋根の住居だって現れる。そんな藁葺きの住居に混ざって暮らしている華僑の存在感は、ボリビアの人々にしたって並大抵のものではないだろう。大概は中華レストランを営んで生計を立てている華僑が多く、特にチャーハンとセットになっているフライドチキンは大衆の支持をかなり得ている。
さて、私はよく前置きが長く肝心なとこに辿り着く前にリスナーを疲れさせるらしい。何のための前置きだったのかも忘れ、前置きに適当な落ちを見つけてそれで良しとせざる負えない状況にも多々遭遇してきた。今回にしたって実は、未だタイトルのタの字までしかカバーできていない。しかし、今回は落ちがないどころか、華僑を侮ったようなラインがあるのでここで結びにするにはあまりに気乗り薄だ。
はい、さて本題に入ると、私がここに来てよく言われる、というか叫ばれるもののうちに以下のようなものがある。「Chinita!(中国人少女)」、「China!(中国人)」。そして、よく聞かれる質問にこういったものがある。「日本人は中国人と間違われると気分を害するって本当?」
まず、前者の呼びかけに対して言及することにしたい。これに関しては、どこの国に滞在しても誰しもが経験することだし、ジャッキー・チェーンを日本人と思っているボリビア人にしてみればアジア人は皆同じにしか見えないだろうし、「フライドチキン売ってくれる?」って真顔でお願いされても、日本人離れした私の顔からしたら当然の報いだろう。次に、後者の質問に対して。これは実は面白い質問で、このブログを読んでいるそこの貴方にも一緒に考えて頂きたいグッドクエッションだ。あなたは、外国で路上を歩いていて大声で「よーそこの中国人!」と叫ばれたらどう感ずるだろうか。
私の場合、やはり「気分を害さない」とは言えない自分がいて、それは主に2つの理由によって存立する。一、事実自分は日本人である。二、事実自分は中国人ではない。である。自尊心とか愛国心とか中国は共産党の国だとか云々の前に、実際に日本人として生まれ育ってきた自分の過去を否定されるような思いや、事実ではない他のアイデンティティーを押し付けられる恐怖は私にとってやはり「気分を害する」に分類されるのである。
ちなみに写真のかわいい少女ナニータは日本人とボリビア人のハーフ(ホストマザーの姪)。複数の子供が映った写真は左からヘスース(ホストマザーの子)、パオリーナ(ホストマザーの孫)、後ろの子がフェルナンドで子の子もハーフ(ホストマザーの甥)。